「地域内エコシステム」とは
「地域内エコシステム」とは
地域内エコシステムとは、集落や市町村レベルで小規模な木質バイオマスエネルギーの熱利用または熱電併給によって、森林資源を地域内で持続的に循環させる仕組みです。
この取り組みにより、地域での森林資源を持続的に活用し、エネルギーの地産地消によって資金流出を防ぎ、地域の活性化また地域関係者への利益還元を目指します。
「地域内エコシステム」の構築に向けて
木質バイオマスエネルギーの導入には、様々な関係者が関わり、実現に向かっていきます。そのため、どのようなサプライチェーンを構築するのか、地域の実情に沿って多種多様な選択を柔軟にすることが必要です。
事業の背景・目的
平成24(2012)年7月の再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)の施行以降、全国で大規模な木質バイオマス発電施設が活発化しました。燃料用材の利用が拡大する一方で、燃料の輸入が増加し、間伐材や林地残材を利用する場合でも流通・製造・供給の面で課題がみられています。
このため、森林資源をエネルギーとして地域内で持続的に活用するために、担い手確保から小規模でエネルギー効率の高い熱利用や熱電併給に至るまでの「地域内エコシステム」の構築に向けた取り組みが進められています。
本事業は、地域の関係者が主体の木質バイオマスエネルギーの導入を通じた人づくり・地域づくりを重視する地域活性化事業です。「地域内エコシステム」の構築・定着を図るため、採択地域の協議会における実施計画策定に向けた支援を実施します。併せて、「地域内エコシステム」の全国的な普及に向けて、地域協議会の運営支援等の結果の周知等を実施します。
事業の基本方針
本事業では、木質バイオマスの活用に関する実現可能性調査(F/S調査)を実施しており、木質バイオマスエネルギーの導入に向けた協議会等において合意形成が完了している地域を対象としています。
支援対象となる地域は、大きく2つに区分されます。今後木質バイオマスを活用していきたい地域(①新規導入)では、過去に実施されたF/S調査の結果を精査し、ボイラー等の新規導入を目指します。水平展開のための検討を進めていきたい地域(②水平展開)では、更なる木質バイオマス活用を進めるため、ボイラーの追加導入のほか、現状の実施体制の強化を目指します。その他、既存のサプライチェーンや木質バイオマスボイラーの運用改善も支援の対象となります。
地域内エコシステムの構築に向けて、事業デザインを柔軟に見直しながら取り組み、地域の実施計画策定に向けた支援を実施します。
地域への効果
本事業では、地域内エコシステムの導入による様々な効果が期待できます。ここでは木質バイオマスエネルギーの利用による主な5つの効果を示します。